大阪カジノのギャンブル依存症対策

大阪カジノリゾートは、海外からの外国人観光客を急激に増加させて、莫大な国益をもたらす施設として最適な国家プロジェクトの切り札的存在ですが、一方で日本人のギャンブル依存症患者を増加させる可能性を持つという闇の側面もあわせ持っています。

 
じつは、ギャンブル好きが多いアジア人種の中でも、一際ギャンブルにハマりやすいのが日本人と言われており、実際に国内有数のギャンブルであるパチンコ・パチスロだけで、マカオカジノをはるかに超える約23兆円（実際は5兆円前後であるとする調査結果も存在します）もの市場規模があり、その他にも競馬やオートレース、宝くじなど様々な国内ギャンブルが存在するのが、ギャンブル大国・日本なのです。そして、2014年の厚生労働省の調査では、ギャンブル依存症の疑いがある日本人は成人人口の約4.8％にあたる536万人にのぼっているそうです。

 
海外の他国を例にすると、アメリカやヨーロッパでは推計1％前後、シンガポールでもギャンブル依存症の有病率が2014年時点で0.5％だったことから、日本人がギャンブル依存症に陥りやすい性質を持つ国民であることがよく分かる調査だと言えるでしょう。このように、上記のような事実があるため、日本ではIR実施法案が可決される前から下記のようなギャンブル依存症対策が話しあわれてきたのです。
 

【ギャンブル依存症対策】
1. 日本人客はマイナンバーカードで本人確認
2. 日本人客から入場料として1回6000円を徴収。
3. 入場回数を7日間で3回、28日間で10回までに制限。
4. 本人や家族からの申告に基づく利用制限措置の設置

 
とくに4つ目の、プレイヤー本人や家族からの申告に基づく利用制限措置は、ギャンブル依存症対策として重要な内容になるかもしれません。実際に、2018年10月に起こった出来事ですが、ヨーロッパの中でもカジノが盛んで有名なオーストリアで、スロットマシンに莫大なお金をつぎ込んだ男性がギャンブル依存症患者と認定され、スロット製造メーカーのノボマティック（Novomatic）から損害賠償金250万EUR（約3億2,000万円）を裁判で勝ち取ったというニュースがありました。

 
この男性はオーストリアの首都・ウィーンのカジノで、2002年から約10年間にわたってノボマティック（Novomatic）社製スロットマシンに約200万EUR（約2億5,000万円）をつぎ込んだそうです。

 
そのため、大阪カジノでは、ギャンブル依存症プレイヤーの家族や親族の意向を取り入れ協力を仰ぎながら、そのプレイヤーが金銭的・精神的に破滅してしまう前に、強制的にカジノ場への出入りを一定期間禁止するなどの処置がとられることになると思います。